オクミチョの陶人形とディアブロ考

今まで取り扱いのなかった、ニューカマーの民芸品をご紹介します。

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顔面アップ3連発!

これらはミチョアカン州とハリスコ州の境目近くの村、

「オクミチョ」で生産されている陶器人形です。

作られる陶器人形のほとんどが「ディアブロ=悪魔」をモチーフにしています。

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パツクアロの陶人形屋台

パツクアロの陶人形屋台のカラフルなこと!

なぜこの地で作られるのが悪魔が多いのかは聞かなかったですが、

(後で気づいたもんで……)

メキシコではかなり親しまれている存在のディアブロ。

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ロテリアのこの絵柄がまず浮かんできます。

他にも年季の入ったゲレーロ州の悪魔仙人木製人形も入荷しました!

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髭や眉はヤシの繊維「シュロ」が使われた、古い木彫りオブジェ。

ナカナカ怪しいです。

気づけばたくさんあるディアブロの民芸品や雑貨は

なぜメキシコをはじめ中南米でディアブロは憎まれる訳でなく、愛されているのか???

まったくの個人的な考察を述べたいと思います。

16世紀、スペインからコルテスさんが来て植民地政策をメキシコだけでなく、

ラテンアメリカ全体に施策していきました。

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(wikiでは職業が征服者になっています)

その際、アステカ文明を始め(南米はインカ)各地の先住民の土地(=魂)

を征服するのに、効果的に用いたのがカトリックの宣教のようです。

それまではプレヒスパニックにおける古代文明の神というのは、

いわゆるアニミズム的な土着信仰でした。

「アニミズム」とは、山や太陽など自然界に神が宿っているという考え方です。

マヤ文明のチャックモールなども、アニミズムに置ける神様を偶像化したものだと

考えられます。

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ラテンアメリカ大陸では各々のスペイン人宣教師の努力が実り、

先住民を改宗させて、現在でも9割以上がカトリック信者という民衆の信仰を勝ち得ます。

今では日々の暮らしに欠かせない、中南米の褐色の聖母「グアダルーペ」も

アニミズムとカトリックへの改宗が混ざり合って誕生したと思われます。

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そしてそれまで存在しなかった悪魔は、

このようなキリスト教への改宗によって、神の反義的存在としてもたらされた概念。

先住民たちはそれぞれ改宗されながらも、独自の信仰も守り受け継がせるために

悪魔=ディアブロという存在を巧に利用したのではないか?

と私見では考えるようになりました。

最初にご紹介したオクミチョでは、昔は奇怪な木彫り人形で有名だったそうです。

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(利根川光人 「メキシコの民芸」より)

現在ではこのような人形は、あまり作られていないようですが

土着の神を表した宗教的な民芸品でしょう。

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パツクアロの民芸博物館にも古い物が展示されていました。

これもアニミズムとカトリックが折衷されて作られたものだと考えています。

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特にオクミチョ村などのミチョアカン州は、

カリスマ宣教師「バスコ・デ・キロガ」さんが

先住民に「ものつくり」の教育を施し、民芸品作りによって宣教していった稀なエリアです。

メヒコではカラベラ(がいこつ)と同じように、ディアブロ(悪魔)を民芸品やイコンで

表現することにより、いつも側にいるものとして愛されるようになっていったのだろう。

と考えます。

そして去る4年前、TBSの長寿番組「世界遺産」のアンデス/インカの回で

決定的な映像を見ました!

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(番組ディレクターさんのブログから拝借しました)

南米はペルーからボリビア、アルゼンチン北部に至るアンデス山脈が

インカ時代の「パチャママ」の神として、地の人に信仰されています。

わかりやすいアニミズムです。

そのなかでもアルゼンチンの北に位置する「ウマウアカ」という

渓谷の村で開催される「悪魔の祭り」

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パチャママに祈りを捧げるため、街中を悪魔の扮装でカーニバル。

最終的には埋めた悪魔の人形を取り出して、生け贄にするという儀式。

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その儀式は、パチャママの神である山に祈りを捧げたあとに、

男たちが競って穴を彫り、埋められている悪魔の人形を探すと言うもの。

しかし悪魔の人形は本当は古来からの神なのではないか。

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このような儀式から推測されるのは、

カトリックに改宗された後でも悪魔の形を使って、先住民達は自らの神への信仰を、

守ったのではないかと考えています。

確実に言えるのはラテンアメリカにおいてディアブロ(悪魔)は、嫌われているものではなく

民衆に解けとこんだ最もポップな偶像(アイコン)でしょう。

*あくまでも店主が書物や情報から推理した仮説です。

カトリック改宗によって征服される南米の歴史と、悪魔については目下

独自に研究中ですので、またなにか発見が有れば報告したいと思います。

写真家、阿部修二さんの書籍は勉強になります。

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