ゲレーロ州の民芸品のご紹介

アメリカの買い付けから帰国して1週間。

車での移動がほとんどだったのと、10日という短期間だったので

ほぼ体力を消耗せず、元気に職場復帰しております。

LAローズボウルにて。
ご報告はまたいずれ。

そしてまだまだ春のメキシコ買い付け分を全て更新できていません!

で、今回はまとまった形でご紹介することがなかった

ゲレーロ州の民芸品を特集してみます。

メキシコシティの南に位置するゲレーロ州。

見ての通り、ミチョアカン、メキシコ、モレーロス、プエブラ、オアハカと

5つもの州と隣接している横に長い地形。

このことが理由なのか、とても幅広い民芸品が生産されています。

赤い丸印がご紹介する主要な街や村。

(1)タスコ (Taxco)

メキシコシティから3時間で行ける銀の街タスコ。

観光で訪れる人も多い、谷間の街。

昔シルバーラッシュに沸き、現在でも銀細工の工房がたくさんあります。

そして春のセマナサンタのキリスト受難劇でも有名。

☞買い付け日誌を参考に!

やはり特産品は銀製品。土日は銀のマーケットが開かれています。

数は多くありませんが、メキシコらしいデザインのアクセサリー。

街の中心にあるウルトラバロックで有名なサンタ・プリスカ教会の影響もあってか

宗教的な民芸品もたくさん。

木彫り人形と台座のクロス。どれも古いもの。

中でも天使ものが多いです。

そしてタスコの周辺の村で現在でも作られてるのが、

シュロという藁で編まれた仮面。

用途はよくわかりませんが、装飾物のような気が。

利根山光人さんの著書でも紹介されていたので、当店でもかなり人気があります。

アメリカで1点仕入れましたので、近々再入荷します。

街には民芸品を扱う店も多く、ゲレーロの他地域で作られているものも
たくさんタスコに集まってきます。

(2)チルパンシンゴ(Chilpansingo)

ゲレーロの州都で穏やかな綺麗な街です。

ここで有名な民芸品はミチョアカン州と並ぶウッドマスク=木製の仮面。

水木しげるさんがこの街を訪れ、かなりの数の仮面を買ったそうです。

マスクには様々な種類の年中祭事や、儀式で使用される目的があります。

ゲレーロ州にはナワ族という先住民の文化が残っており、その土着信仰の

シンボルとして虫から魚にいたるまで生き物のモチーフが多いです。

また他の州とおなじように悪魔=ディアブロのマスクも、

角の素材に、本物のヤギや鹿のものが使用されかなり特徴。

そして人面マスクもたくさん作られています。

民俗劇や雨乞いの儀式で使われます。

そしてゲレーロのマスク界を代表するのが、

このようなジャガー仮面。こちらはオリナラという町のもの。

ゲレーロ州では各村で”Danza de tigre” ジャガーのダンスの儀式が開催されます。

(スペイン語ではティグレは虎の意味ですが、儀式ではジャガーのことを指します)


村により時期はバラバラで2月や8月、

クリスマスなどのカトリックの宗教行事に合わせる村もあります。

オアハカ州に近いオメテペック(Ometepec)の衣装

このような鞣した皮でできたスッポリかぶるタイプはシトララ(Zitlala)村のもの

まるで防護用ヘルメットのよう

(3) シャリトラ (Xalitla)

上記地図上ではBalsasという町の上にある川沿いの村。

ここでよく知られるのはアマテに描かれる絵画でしょう。

アステカ時代から伝達手段として作られていた樹皮の紙。

スペインの征服後、生産を禁止されたそうですが、プエブラ州の村で

魔除けの儀式として細々と作られていました。

フィエスタには欠かせない切り絵の旗=パペル・ピカドのルーツです。   「メキシコの民芸」より

その村サン・パブリートとシャリトラはかなり距離があるので

近代にどう伝わったのかは解明していませんが、村人達はアマテを買い、絵を描き

民芸品として売るようになりました。

特に細かい描写と絵柄は、現代作られてるものにも影響を与え、

この村に暮らすロレンソファミリーの絵画も、アマテ絵から始まりました。

(4)アメヤルテペック、トルマン、ウアパン

上記地図のイグアラ(Iguala)から山間に入る小さな村々。

シャリトラを含めこの辺りは、焼き物が世界的に有名です。


このようなテラコッタのような赤土と白土を使った焼き物に、

セピア色の文様のような絵付けが特徴。

焼きあがった偶像や模様と絵柄のフォークアートは、

出土されるプレヒスパニックの土偶や壺に類似していて、
インディオたちの文化とDNAがこのような作品を生み出しているのかもしれません。

またアメヤルテペックという村では

色彩豊かでユニークな絵柄を陶器やお皿に描くものが作られています。

メキシコ各地でよく売られている絵皿はここで生産されはじめたそう。

(現在在庫がございません。スミマセン……)

(5)オリナラ(Olinala)

ジャガーマスクをご紹介したオリナラは、

現在でも漆器がたくさん作られている山頂の小さな街です。

スペインからもたらされた漆塗りと木彫りの技術。

樹木の油と顔料を層にして塗り、模様を削っていき石で磨いて

絵柄を象っていく。

その卓越した技と細工は、メキシコを代表する伝統工芸でもあります。

今回スーベニール(土産物)ですが、お求め安い

アクリルラッカーで彩られた木皿が入荷しています。


古いもので味わい深いです。

などなど端的ながら長くなりましたが、他にもたくさんゲレーロ州の民芸品ございます。

ここ近年、イグアラからバスで出発した学生達43人(アヨツナパ)が

惨殺されたり、リゾート地アカプルコで麻薬カルテルの事件が多かったりと

キナ臭すぎるのが本当に残念ですが、店主はこれからも現地を訪れ

素晴らしいゲレーロのフォークアートを紹介していきたいと思います。


夏らしいベラフォンテ師匠の賑やかなカリプソ。若いウィノナのパントに乗せて。

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