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サン・ヘルマン陶芸工房の歴史とスタイル (前編)

3/21まで開催中の「サン・ヘルマン工房の陶芸展」

 

意外にも家族経営だった工房のヒストリーを、

家長であるハイメ・ブラーボさんにお話を伺いました。

(1)SanGermánワークショップが設立された年とその名前の由来と歴史を教えてください。

 

サン・ヘルマン・セラミクスは家族で運営しているストーンウェアの陶芸工房です。

私の母ジュリエタと私ハイメによって 1983年にハリスコ州トナラで設立されました。

トナラは偉大な職人ホルヘ・ウィルモットによって技術化された、たくさんの陶器が生産されている場所。

私たちの工房の名の「ヘルマン」は、母方の父(ハイメさんの御爺)の名字から取られました。

工房が設立されて間もなく私はセリアと結婚し、トナラに住みました。

そこで彼女は陶器に絵を描くことを学び、一緒に陶器の製造に専念しました。

 

現在のセリアさん

 

(2)なぜメキシコ州に移りましたか?

私たちの工房はトナラで3年間続きましたが、販売は常にメキシコシティで行われたため、

毎週ハリスコ州から列車で作品を運搬していました。

この後、セリアと私は工房をメキシコシティに近い場所に移すことに決めました。

現在、工房はメキシコ州テスココのサンミゲル・トライスパンで35年目です。

 

(3)最初からトナラスタイルの陶磁器を生産していましたか?

私たちは最初からトナラスタイルの陶器を作り、伝統的な模様や絵の本質を常に守り続けます。

現在は他のスタイルの絵付けもありますが、非常に耐性があり無鉛の釉薬を使用していることが特徴。

私たちの作品はすべて電子レンジや食品に安全で、屋外に置くことができ、

太陽や天候によって損傷することはありません。

 

 

(4)工房には何人の職人がいますか?

私の母はすでに引退していますが、彼女は暇な時間に新しいモデルを開発しています。

工房を仕切るのは私と妻のセリアで、彼女はペインターでもあります。

さらに様々な製造プロセスで私たちを助けてくれる職人が4人います。

彼らとは家族のようで工房にに30年以上携わっています。

その関係は私たち家族にとってとても大切なもの。

 

成形担当のルイスさん

 

絵付け担当のマリーナさん

 

私の子供たちリカルドとマノリは幼い頃から工房の生産に参加していました。

しかし現在陶芸に専念していませんが、伝統を失わないために少しずつ関わっています。

 

娘のマノリさん

 

(5)デザインや形などは、どなたが担当しますか?

一般的にはトナラのデザインを踏襲していますが、

トナラ陶芸の特徴は自由に絵を描くことができるということです。

 

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私たちの作品はすべて手塗り手作業で作られています。

なので全く同じものはありません。

そして小さな工房なので、皆で生産の様々なプロセスに貢献しています。

基本カラーは青、金、茶色、緑で、ペイントの細部に黒、白、その他の新しい色を使います。

私たちの主な装飾の絵はドロップ(釉落とし)、花と鳥、

口ひげを生やした太陽、蝶や花です。

 

そして今、他の色の釉薬を配合して、工房で新しいデザインを考えています。

また「アルゴス」と呼ばれる別の陶器のラインもあり、

伝統的ではありませんが現代的なデザインが施されています。

 

 

前編はサン・ヘルマン工房の歴史や生産のお話を伺いました。

 

次回のブログでは、現在の工房の運営や販売について記したいと思います。

 

 

ミルトン・ナシミエントのカバー。