版画展【オアハカのグラバドーレス~La Fiesta de la vida】前編
当店の地階ギャラリーで
版画展「オアハカのグラバドーレス ~La fiesta de la vida~」を開催します。
店舗移転前の昨年秋から準備していた展覧会ですが、大阪もウイルスによる緊急事態宣言が出てしまっていますので、
当初2/14までの会期予定を2月末日まで伸ばすことになりました。
「フリーダ・カーロやルフィーノ・タマヨだけではなく、近年世界中で認知が高まっている
メキシコのアート。
マヤ文明からの歴史があり、独特の混血文化や死生観が織りなすダイナミックな表現は、
現代でも壁画を始め絵画、彫刻、インスタレーションと若い作家達が凌ぎを削っています。
中でも版画はかつて北川民次や利根山光人がインスピレーションを受け、
メキシコに滞在し創作したほど、多彩な素材・要素があったようです。
おそらくその多くは現代でも濃く残るインディオ(先住民)の生活や慣しだと推測します。
そこで必ず出てくるオアハカという土地の名。
先住民の割合が最も多いと言われるオアハカ州は、
昨年他界した美術家フランシスコ・トレドと現地で美術大学の学長を務める日本人作家、竹田鎮三郎の影響か、いつしかメキシコ各地から創作を志す若者が集まってくるようになりました。
トレドも竹田も作品は、オアハカに残る土着的な文化・日常が表現の根幹にあるでしょう。
この展覧会は、オアハカで活動する若手版画家たちの彼らが生きる日々をテーマにしたグループ展です。」
文/左海義修(TOMBOLA)
今回の企画は当店トンボラですが、監修を神奈川県在住で木版画製作をしている
北山早智さんにお願いいたしました。
彼女は2015年から18年までオアハカで暮らし、
木版画製作の活動、そして当店の民芸品バイヤーでもありました。
関東地方も緊急事態宣言が出ていますので、
まだご本人が在廊できるかは不明ですが、展示に関するオンラインインタビューをしましたので、
このブログで3回に分けご紹介いたします。
-まずメキシコに興味を持ったキッカケは?
「学生時代に偶然、中之島にある“graf”のギャラリーで
オアハカン・ウッドカーヴィング展を見たのがキッカケです。」
「イャ〜なんだこれは?!とすぐに魅了されてしまいました。メキシコというより
こんな木彫り人形が作られてるオアハカという場所にすごく興味が湧きました」
-初めてメキシコに行ったのは?
「ずっと行きたい、行きたいと思いながら中々踏み出せないまま、
最初にメキシコに行ったのは2013年の冬です。
オアハカにも行きましたがクリスマスシーズンでアレブリヘスや民芸品どころではなかったです….
その時は旅行なのであっという間でした」
-では本格的に滞在するようになったのは?
「次の年に仕事を辞めて語学留学の目的で、2015年からオアハカに住むようになりました」
-初めてメキシコでビックリしたことは?
「まず道端で物を売っていたり、子供達が買ってくれとせがんで来たりと….
いわゆる貧富の差でしょうか」
「あとメルカド(市場)での肉や魚の匂いが苦手で…..でも暮らせばだんだん
そんな光景も面白く感じられるようになりました。」
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-オアハカで暮らして印象が変わったことは?
「大きな青い空やそこに暮らす人たちは素晴らしいなと。」
「また伝統的なものを大切にしながら、とてもモダンな洗練された文化もあるのは意外でした。」
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-次にご自身の作品製作についてお聞きします。
-木版画を始めたキッカケは?
「ウッドカービングからオアハカに興味を持ったので、最初はアラソラ村にある
ヒメネスさん兄弟の工房で木彫り人形の製作を学んでいました。」
(ヒメネス=オアハカ木彫り人形の始祖マヌエル・ヒメネスの息子アンヘリコとイサイアス)
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「そしてある時、版画やってみたら?と人に勧められて、木版画を始めるようになりました。」
-それまでは木版画はやったことなかった?
「大阪芸大では版画専攻だったんですが、1、2回生の授業で木版の経験はありますが
最終的にリトグラフ専攻を選択したので、それ以来でした。」
「でも入学前にやりたかった版画というのは、今回参加してくれる
メキシコの作家たちのような、色ではなく力強いタッチのものを
イメージしていたので、オアハカに行ってやっと辿り着いた感じです」
-作品のモチーフは?
「メキシコでの暮らしや旅の思い出をテーマにしています」
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-今後はメキシコ以外のモチーフの作品も手掛けていきますか?
「ん〜私の版画はオアハカから始まったので、これからも基本はメキシコに関する
題材のものを作っていくと思います。」
-最後にこれからのご自身の製作活動について教えてください。
「いまは日本で仕事をしながらなので、余り作品が作れていないのですが、
またオアハカで暮らして毎日木版を彫って、版画を刷りたいなぁ…….と淡い希望を抱いています(笑)」
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1/30(土)から始まる「オアハカのグラバドーレス」展。
記事前編はディレクションをしてくださった北山さんのご紹介でした。
店主の記憶ではお店でマルティン・サンチアゴの小さなヤギの木彫り人形を買ってくれたのが
最初の出会いだったと思います。
そのとき話してビックリしたのが、
同じ大阪芸大出身で(学生数が多いのでコレは関西ではよくあるコト)
18歳から友人である版画家のクラスにいたということ。
そして気づいたらオアハカに住んでいたということにもまたビックリ!
そして店主がメキシコに行けない間、彼女が買い付けと発送をしてくれていたおかげで
トンボラが存続していると言っても過言ではありません。
移転してギャラリーの企画を考えた時に、真っ先にやりたかった展覧会です。
と、次回のインタビュー記事では作品を出展して下さる6名の版画家たちの紹介を。
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