メテペックのソテノ・ファミリーが作る彩色陶芸

昨年秋の買い付けでたくさん入荷した、メキシコ州メテペックの陶人形たち。

アルフォンソ・ソテノ作 マンチャドと呼ばれるスタイル

首都メキシコシティに隣接し、1時間ほどで行く事のできるメキシコ州にある街。

スペイン植民地以前から土器作りが盛んで、現在でも焼き物を作る工房が軒を連ねています。

メテペックについては☞過去ブログ☞ゴンザレス工房 も参考に!

ちなみに過去ブログで書いているゴンザレス工房は、利根山光人さんの著書で度々紹介されている、メテペックの陶工ティモテオさんの跡を継いだ息子さんです。

現在でもメテペックではたくさんの陶芸工房があり、専門の民芸品市場などで

様々な種類の陶芸品を買うことができます。

☞昨年の買い付けジャーナル

現在、メキシコ国内で出回っている生命の樹=ツリーオブライフの8割ほどが

ここメテペックで作られています。

土の色を基調にした、このようなスタイルが主流。

しかしこのような雰囲気とは全く違う、

世界中のフォークアートファンを魅了した彩色陶芸を、

メテペックで生み出した一人の女性がいます。

1914年生まれのモデスタ・フェルナンデスさん。

レンガ工房を営んでいたダリオ・ソテノと結婚し、やがて彼女は

子供向けの玩具として陶人形を作り始めます。

ディエゴ・リベラ博物館にある人魚。モデスタの作品。

作った小さな陶人形を毎週金曜日に、大きな隣街トルーカのティアンギス(青空マーケット)に売りに出向いていたそう。

1937年、そのティアンギスになんと!

偶然ディエゴ・リベラがやってきて

モデスタの作ったものを賞賛し、買い占めるばかりか、

メキシコシティまで連れて行き、当時あった民芸品博物館の館長に紹介しました。

ディエゴ・リベラ博物館のコレクション。モデスタの山羊3匹。

彼女はそれから作るモチーフが宗教的なものになっていき、

最終的たどり着いたのがアダムとイヴのエデンの園のオブジェ。

フリーダの青い家(博物館)の1940年当時の写真 モデスタの作品が撮影されています。

アレキサンダー・ジラードも彼女のエデンの園をコレクションしていました。

ディエゴのおかげか?公的な仕事も増え、メテペックの彼女の工房には

たくさん人が訪れるようになりました。

10人もの子を産み育てたので、1940年代半ばから子供達も陶芸作りを

手伝い始めます。

中でも工房を継いで、現在でも製作を続けているアルフォンソ・ソテノ師匠。

小さな博物館もある大きな工房を切り盛りしています。

東京の岡本太郎記念館に展示されている大きく美しい生命の樹。

これがアルフォンソ師匠の作品!

大阪万博のメキシコ館に出展されていたものを

岡本太郎氏が譲り受けたとか。

そのアルフォンソ師匠に現在は作っていないという、

ビンテージ風の作品をあえて製作していただきました。

こちらは展示してあった非売品。コロリード(カラフルな)スタイルと呼ばれてます。

人魚などとても丁寧に作られている陶芸品です。

なんと!’87年に亡くなった、貴重な母モデスタさんの晩年の作品も譲っていただきました。

アルフォンソ師匠以外にも、息子オスカル、娘婿のハビエルが敷地内に

それぞれ工房を持っています。

敷地内には失敗作なのか売り物かよくわからない、大量の陶芸作品

職人として働いていて、師匠の娘を射止めたハビエルさん。

そしてもう一軒著名なソテノファミリーの工房があります。

アルフォンソさんの弟であるティブルシオ・ソテノ工房。

お兄さんと並ぶグラン・マエストロ

海外にもワークショップでよく行っていたらしいです。

工房では息子のカルロスが、復刻品として古いスタイルで製作しています。

塗料を70年代まで使われていた、アニリン染料にしたり当時の抜き型を使ったりと

こだわりがあります。

カルロス・ソテノファミリー

この2つの工房の復刻品やビンテージの彩色陶芸は

webshopのトップからバナーのリンクでもご覧いただけます。

彼らソテノファミリーを始めメテペックの陶芸については

こちらの書籍を参考にしました。

メキシコ国内で販売されている伝統的なムックシリーズ。

モデスタさんが1930年ごろ製作したマンチャド(水玉)スタイルの作品群。

蒐集家レチューガさんのコレクションだとか。

1960年代に作られたエデンの園。

他にもこの地の人魚伝説=ラ・クランチャナの説明や

守護聖人サン・イシドロ・ラブラドールの解説などなど

メテペックについては、これ以上ない内容となっています。

ちなみにサン・イシドロは五穀豊穣を司る聖人。

毎年6月に大きなお祭りが開かれます。

畑を耕す2頭の牛に聖人像を引かせて歩きます。

この様子はユンタと呼ばれ、これを模した陶芸品がこの時期にたくさん作られます。

利根山光人先生の「メキシコの民芸」でも1ページで大きく紹介されていました。

彩色陶芸として他にも掲載されています。

この不思議な人面犬をライオンと紹介されておられますが、

正解はメキシコを代表する?妖怪「ナワル」のようです。

体が獣、顔が人で髭が生えていれば、ナワルと称されます。

様々な民芸品でもモチーフとなっているナワルについては、また別の機会に。

メテペックの街の様子は買い付けジャーナルで後日、記します。

昨年11月に来日したニコラ・クルス。行きたかったですが、メキシコ出張中でした……

コメント

  1. 歩む より:

    かつら嬢のモデル最近ないので
    お願いいたします。

    • ナンバマン より:

       コメントありがとうございます。桂さんは東京に転勤になって当店では働いていないのです。申し訳ありません……

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コード入力 *