メテペックのソテノ・ファミリーが作る彩色陶芸
- 2018.02.09
- アルテサノス(職人と工房) 民芸品 フォークアート クラフト
- メキシコの民芸, ビンテージフォークアート, 利根山光人, メキシコの陶器, メテペック
昨年秋の買い付けでたくさん入荷した、メキシコ州メテペックの陶人形たち。
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首都メキシコシティに隣接し、1時間ほどで行く事のできるメキシコ州にある街。
スペイン植民地以前から土器作りが盛んで、現在でも焼き物を作る工房が軒を連ねています。
メテペックについては☞過去ブログ☞ゴンザレス工房 も参考に!
ちなみに過去ブログで書いているゴンザレス工房は、利根山光人さんの著書で度々紹介されている、メテペックの陶工ティモテオさんの跡を継いだ息子さんです。
現在でもメテペックではたくさんの陶芸工房があり、専門の民芸品市場などで
様々な種類の陶芸品を買うことができます。
現在、メキシコ国内で出回っている生命の樹=ツリーオブライフの8割ほどが
ここメテペックで作られています。
土の色を基調にした、このようなスタイルが主流。
しかしこのような雰囲気とは全く違う、
世界中のフォークアートファンを魅了した彩色陶芸を、
メテペックで生み出した一人の女性がいます。
1914年生まれのモデスタ・フェルナンデスさん。
レンガ工房を営んでいたダリオ・ソテノと結婚し、やがて彼女は
子供向けの玩具として陶人形を作り始めます。
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作った小さな陶人形を毎週金曜日に、大きな隣街トルーカのティアンギス(青空マーケット)に売りに出向いていたそう。
1937年、そのティアンギスになんと!
偶然ディエゴ・リベラがやってきて
モデスタの作ったものを賞賛し、買い占めるばかりか、
メキシコシティまで連れて行き、当時あった民芸品博物館の館長に紹介しました。
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彼女はそれから作るモチーフが宗教的なものになっていき、
最終的たどり着いたのがアダムとイヴのエデンの園のオブジェ。
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ディエゴのおかげか?公的な仕事も増え、メテペックの彼女の工房には
たくさん人が訪れるようになりました。
10人もの子を産み育てたので、1940年代半ばから子供達も陶芸作りを
手伝い始めます。
中でも工房を継いで、現在でも製作を続けているアルフォンソ・ソテノ師匠。
小さな博物館もある大きな工房を切り盛りしています。
東京の岡本太郎記念館に展示されている大きく美しい生命の樹。
これがアルフォンソ師匠の作品!
大阪万博のメキシコ館に出展されていたものを
岡本太郎氏が譲り受けたとか。
そのアルフォンソ師匠に現在は作っていないという、
ビンテージ風の作品をあえて製作していただきました。
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人魚などとても丁寧に作られている陶芸品です。
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なんと!’87年に亡くなった、貴重な母モデスタさんの晩年の作品も譲っていただきました。
アルフォンソ師匠以外にも、息子オスカル、娘婿のハビエルが敷地内に
それぞれ工房を持っています。
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職人として働いていて、師匠の娘を射止めたハビエルさん。
そしてもう一軒著名なソテノファミリーの工房があります。
アルフォンソさんの弟であるティブルシオ・ソテノ工房。
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工房では息子のカルロスが、復刻品として古いスタイルで製作しています。
塗料を70年代まで使われていた、アニリン染料にしたり当時の抜き型を使ったりと
こだわりがあります。
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この2つの工房の復刻品やビンテージの彩色陶芸は
webshopのトップからバナーのリンクでもご覧いただけます。
彼らソテノファミリーを始めメテペックの陶芸については
こちらの書籍を参考にしました。
メキシコ国内で販売されている伝統的なムックシリーズ。
モデスタさんが1930年ごろ製作したマンチャド(水玉)スタイルの作品群。
蒐集家レチューガさんのコレクションだとか。
1960年代に作られたエデンの園。
他にもこの地の人魚伝説=ラ・クランチャナの説明や
守護聖人サン・イシドロ・ラブラドールの解説などなど
メテペックについては、これ以上ない内容となっています。
ちなみにサン・イシドロは五穀豊穣を司る聖人。
毎年6月に大きなお祭りが開かれます。
畑を耕す2頭の牛に聖人像を引かせて歩きます。
この様子はユンタと呼ばれ、これを模した陶芸品がこの時期にたくさん作られます。
利根山光人先生の「メキシコの民芸」でも1ページで大きく紹介されていました。
彩色陶芸として他にも掲載されています。
この不思議な人面犬をライオンと紹介されておられますが、
正解はメキシコを代表する?妖怪「ナワル」のようです。
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様々な民芸品でもモチーフとなっているナワルについては、また別の機会に。
メテペックの街の様子は買い付けジャーナルで後日、記します。
昨年11月に来日したニコラ・クルス。行きたかったですが、メキシコ出張中でした……
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かつら嬢のモデル最近ないので
お願いいたします。
コメントありがとうございます。桂さんは東京に転勤になって当店では働いていないのです。申し訳ありません……