Nota de Maestro en Japon! /アンヘリコ・ヒメネス来日顛末記 ~イントロダクション
6月2日に無事オアハカへ帰郷した木彫り職人アンヘリコとロケ・ヒメネス親子。
来日するまでに紆余曲折のあった事の顛末を、記憶が新しいうちに認めておきます。

今回、東京で何名かの方に「なんでアンヘリコが日本に来ることになったのか?」と
尋ねられました。
その説明も兼ねて時系列を追って記していきたいと思います。
まず我々トンボラが主催した「ヒメネス・ファミリーの木彫り人形展」
この企画がひらめいたのは2021年の冬、店主がオアハカで買い付けをしていて
いつものようにラ・ウニオン村へ行った時のこと。
「そういやアラソラ村には久しく行ってないな〜。ヒメネスファミリーの皆は元気なんかな?」
と、そんな思いがふと脳裏をよぎりました。
サンチアゴファミリーの木彫り人形は日本でも仕入れる同業者が増えたけど、アンヘリコとイサイアス・ヒメネスの木彫り人形を扱う店はその時点で当店トンボラしか無かった。
年明け1月下旬に日本に戻り、スタッフSこと北山サチとミーティング。
彼女は翌月から4ヶ月に渡るメキシコ長期買付出張を控えていた。
オアハカを拠点とするため、店主が与えた指令は2つ。
一つはテオティトランやサンタ・アナの工房に
タペテ=ウールのラグを特注しオーダー会を開催すること。
もう一つがヒメネス3家族に木彫り人形を数多く注文し、夏に展示販売会を開催する。
その仕事は彼女が適任なのは間違いなく、オアハカに長期滞在するメリットを生かす
業務を一任しました。
☝︎なぜ適任なのかはこちらの記事を参考に。
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そして3月頃、卸先である国立民族博物館(通称みんぱく)の
ミュージアムショップに納品に行った時のこと。
なんと!来年の3月からメキシコに関する特別展が決まっているという話。
当初はメキシコの仮面やナワルなどのシャーマニズムに関する展示が中心で、
企画はラテンアメリカまで広がっていませんでした。
みんぱく収蔵のナワルと言えばアンヘリコが製作した赤いナワルは有名。
常設では展示されていません。
これは面白いことになりそう! という期待感が膨張。
そして6月にスタッフSが帰国し、オーダーしたウッドカービングの成果が判明。
当初は各ファミリーに20体ずつという構想でしたが、
イサイアスはグアダラハラで展覧会を控えていたこと、
アルマンドは恒例の米国サンタフェの民芸フェアに参加、
そしてアンヘリコはあんまりやる気がない…………
ということで遥かに仕上がった作品数が少なくなってしまう。
しかし同時期に”Animals From Oaxaca”という自身のコレクションの冊子を作った
著者の岩本さんから舞い込んだ話。
80年代後半のヒメネスファミリーの木彫り人形を買ってくれる業者を探している会社がある。
著名なアートディレクター小池一子史が無印良品の広告のために取り寄せたスケールの大きい作品。
これら7体の作品を受託することになる。
そして親交のあるアメリカのコレクターからマヌエル・ヒメネスの作品も提供してもらえた。
なんとか30点以上の数にして体裁を整える….
そこで店主は思いつく。
「コレ、大阪だけでなくて他の街も巡回すればええやんかいさ、
だってずっとヒメネスファミリーには木彫り人形作ってもらえるんやし」と。
かくして昨年の2022年 8月 “Dream Carver Exhibition Japan Edition 2022-23″とし、
年を跨って複数の都市で開催することになる。
まずは第一回を自らの、大阪トンボラ地階ギャラリーで開催。
展覧会が始まりすぐにメキシコに渡った店主は、次なる構想のため自ら
オアハカ、アラソラ村に向かう。
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