メキシコ買い付けジャーナル’21 【6/4 シピアホの土器】
朝8時頃起床。
宿隣の売店でコーヒー(もちろんネスカフェしかない)を買い、昨日買っていたパンを朝食に。
甘いパンはほとんど食べないが、スイートポテトパイやカカオのパステなど
おいしかった。
ちょっと味が甘いが、安いパンも有りだな。
シャワーを浴び、あと3日間滞在するミチョアカン州の予定を立てる。
今回時間があるので、
以前から行きたかったシピアホという村の陶器工房に電話をしてみる。
行って在庫がなかったら元も子もないので…..
女性が電話に出てくれて、「工房にはギャラリーもあるからモノはたくさんあるわよ!」
と頼もしい返事だったので、準備して一路向かうことに。
しかしGoogle Mapの経路検索で調べてみるが、ほぼ情報なし….
とりあえず、バスターミナルで切符売り場の人に聞いてみよう。
といつも通りの出たとこ勝負。
切符売り場の女性の意見では、「とりあえずキロガまで行け!」
とのことで仰せの通りに…..
パツクアロから小一時間北へ。
珍しくシャトルの運転手が女性だった。
キロガは以前も行ったことがある町。タコスの人気メニューであるCarnitas=豚煮込み発祥の地。
幹線道路沿いに多い石像を扱うガーデンニング店。
心配な曇り空の中、キロガに到着。
ソカロの前には多くのカルニータス屋台が並んでいます。
どこも”Carmelo”という屋号….
5年前に来た時はこんな感じではなく3店くらいしか営業してなかった。
Netfrixの「タコスのすべて」で紹介されたので、どこも同じ屋号を名乗り始めたのかも?
ここで交通整理をしていた警官にシピアホまでの行き方を尋ねる。
「緑色バスが来るからそれに乗り、サカプまで行け!」
と自信満々に言うので信用。
すると5分くらいで大きな路線バスがやってきた。
乗って小一時間。心配になって「運転手にいつサカプに着くの?」
と聞けば、「シピアホに行くならコマンハで降りてまたバスを待て」
ということでコマンハという場所で降車。
イ
まったく人の気配はないが、一応ソカロとキオスコがあった。
結構高度の場所なのか一気に空気が薄くなった気が。
気づけば電波も圏外になってる……
バスはいつ来るのか、疑心暗鬼になったそのときタクシーが通ったので捕獲。
交渉でシピアホまで100ペソ(600円くらい)と言われ悩むが、不安よりも確実性を取り乗車。
荒廃した山間を30分ほど走り抜け、、、、、、
やってきた山頂の村シピアホ。
暗雲がすぐ頭上にあるかのよう。
タクシーの運ちゃんが「どこまで行くの?」と聞くので
とりあえずソカロっぽいとこで降ろしてと返事したら、ソカロの斜め前にあった
「シピアホ陶芸工房」
陶芸職人エルビア・シルバ・バルトロさんが設立した、
土器と刺繍服や民族衣装を生産する工房。
この村の女性の自立を促す目的で始めたそう。
店主は7年前くらいにウルアパンの民芸品フェアでエルビアさんと出会い。
興味をもち名刺をもらったので
いつかとの思いがあり、やっとのこさ来れた! のでした。
しかし10時に出発して着いたのは午後2時前….長かったな。
工房の中を案内してもらう。
いたるところに土の鉢や器。
オアハカの土の焼き物に似ているが、こちらのほうが繊細で洗練されている。
代表的なのが大きなツノの鹿の燭台。台所では栓抜きフックになっていました。
火をくべて炊くカフェ・デ・オジャ=壺珈琲。
いただきましたが不味いわけがありません。
黒い陶器も作っています。
黒い土をこねています。これもオアハカのバロ・ネグロと異なる点。
あちらは土の段階ではまだ茶色。
どれもフォルムが素晴らしい、
工房の入り口に小さな小部屋があり、棚にそれぞれ作家別に作品が並んでいました。
姉妹や叔母さんたちが多くほぼ一族で製作しているようです。
それぞれ特徴が微妙に違う土のオブジェ。
エルビアさんの母であるマリアさん。
「今日出来たばっかりやねん、この鉢」
とアピールするので、しっかり購入させていただきました。
エルビアさんのご好意で刺繍のほうのアトリエも見学させてもらう。
この地域の伝統的な刺繍文様。プレペチャ族の伝統衣装です。
トウモロコシの穂と茎の部分を現した模様。
自分たちのオリジナルデザインをしっかりサンプルとして保管し、
カタログとして閲覧できます。
これは注文がしやすく、
生産年を記載してるのでデザインの盗用を防ぐ意味もあるのだとか。
こんなド田舎の工房ですが、しっかりした考えと応対にびっくり。
他の地域の刺繍職人たちも見習ったらよいのに。
こちらはミチョアカンのインディヘナが着用する、
イッセイ・ミヤケばりのプリーツスカート。
画像撮り忘れましたが、ミシンもたくさんあり、衣類は村の女性たちが分担して生産しているとのこと。
工房に戻ると買い付けたものを手分けして梱包してくれてました。
だいたいトイレットペーパーで細部を保護してくれますが、意味あんのかな?これ。
で、男は基本なにもせずボーっとしてる。
マリアさんの旦那さんだそう。
メキシコでも入手は難しいシピアホの土器たちはコチラをチェック!
感謝を伝えエミリオさんに帰り方を聞くとタクシーを呼んでくれた。
子供を乗せた女性ドライバー。
たぶん1歳すぎくらいだが、めちゃくちゃかわいい娘さん。
コエネオという場所まで連れて行かれ、「ここでバス待ってたらええよ」と母親ドライバー。
タクシー代はなんと10ペソだった!

ほどなくして、コマンハ行きのバス、そしてキロガ行きのバスと乗り継ぎ
なんとかシャトルでパツクアロに戻ってきたのは、夕方6時前。
湖が見えてきたら一安心。
一旦荷物を置きに宿へ。
そして明るいうちにまたセントロへ向かう。
ぎりぎり金曜のティアンギスに間に合った。
でも出店者は半分くらい片付けていたけど….
ここで顔型の植木鉢と少しだけリーフの皿を仕入れ。
坂を上がりラ・ソレダー教会方面へ。
高級民芸品店を軽く覗き、数軒隣にあるお目当てのレストランへ。
朝食のパンから何も食べていない…..
チャンスがあればまた来たかった “La Tradicion”
老舗のレストランですが、気軽に入れるお店です。
ミチョアカンスタイルのエキパルチェア。座面が腹子の毛皮です。
フリーダの青い家にも同様のものがありますね。
店内もまさにトラディショナルな雰囲気で統一。
おじさまおばさまグループも遅いランチ。
注文したのはタラスコ風スープとAporreadillo=「殴られる」と名付けられた郷土料理。
スープは豆にクリームを混ぜたポタージュ。
アポレアディージョはお米料理。
5年前に食べて抜群においしかった記憶があり、これが目当てでやってきました。
炊いたライスに、ソテーした牛肉とサボテンやチレと卵をスクランブルしたぶっかけご飯。
他の地域では見たことがないメニューだが、5年前に食べたものと少し違うような…..

しかし変わらず美味しくいただきました。ドリンクと合わせて130ペソ(750円くらい)
隣にあるギャラリー “La Mano Grafica” も覗いてみる。
メキシコ版画界では少し有名らしいアルメテミオという作家のギャラリー。
木版とは思えない繊細な画風。お値段もかなりの…..
飾ってあったBarro Vidrioの燭台。 かっこいい。
民芸品店が集まるバザール “11パテオス” へ。
11もの中庭がある入り組んだ構造です。
州特産のラッカー(漆器)の皿やオーナメント。
お店はどれも見どころないですが、建物の年季は最高です。
カフェのテーブルはこれも州の特産品のコブレ=銅でできたもの。
店主命名「デン太郎」。歯医者です。
約束の時間が近づいたのでカミオンで街外れへ。
砂利道で大変。
やってきたのは長年お世話になっているミラグロ工房 “El Santuriao”
自宅の階上の増築は進んでいないよう。
すでに彫りが終わった木製のコラソンや十字架
塗装してミラグロを打ち付けていきます。
明るいですがもう午後8時なので、誰も作業はしておらず。
自宅の上がギャラリーになっていて、オーダー分以外は在庫からチョイス。
前年はパンデミックで来れなかったがオーダー分を
しっかりメキシコシティまで発送まで対応してくれたことに感謝。
おかげでミラグロはずっと在庫切れはありません。
こちらは工房の作品ではなくアンティークのものだとか。
リボンの細工は奥さんが担当。これは大きくてすごい。
工房長のホアキン・ガルニカと愛犬ボンボン。
毎日インスタグラムを更新している成果からか、日本のメキシコ雑貨店からの
注文が増えたそうです。
オーダー品のリボンが数点付いていなかったので明日ホテルに
まとめて梱包して持ってきてくれることに。
またカミオンでターミナルまで。
かっこいいワーゲンバスが停まっていたOXXOで
ビール2本買って宿へ戻る。
長い一日が終わる前に、webshopの更新とブログの執筆。
ほんまにワテ働きもんやわ。
0時すぎ就寝。
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